ひとつの言葉で
『菜の花や 月は東に 日は西に』 与謝蕪村 作
蕪村は夕暮れの菜の花畑を美しいと詠みましたが,佐分利川の土手にも菜の花が花盛りとなっています。朝の通勤時間に,陽の光をいっぱい浴びた菜の花のあまりの美しさに,つい目を奪われてしまいます。
さて,新学期が始まって1カ月が経ちました。1年生も少しずつ学校生活に慣れてきたようで,朝の元気なあいさつがとてもうれしく感じられます。本郷小学校では,今年は特に「あいさつ」について,学校全体で取り組んでいきたいと考えています。言葉はとても大切です。朝,おはようと一言交わすだけでも大変元気が出ますし,うれしくなります。
誰がつくったのか分からないのですが,次の詩を御存知でしょうか。
ひとつの言葉でけんかして ひとつの言葉で仲直り
ひとつの言葉で涙を流し ひとつの言葉で笑い合い
ひとつの言葉はそれぞれに ひとつの心をもっている
きれいな言葉はきれいな心 優しい言葉は優しい心
ひとつの言葉を大切に ひとつの言葉を美しく
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本当にひとつの言葉でうれしくなったり悲しくなったり…。
4月は,子どもたちも新しい人間関係の中でのトラブルが見られました。少し思いやりの足りない言葉で傷ついたり,けんかになったりしていました。しかし,そのような中でも,「大丈夫?」「こっちへおいでよ」などといった優しい言葉もたくさん聞くことができました。
言葉は心の表れです。美しい言葉,優しい言葉,うれしい言葉が行き交う中で,仲間との絆が深まっていきます。そして,あいさつは,その第一歩だと思います。お互いにあいさつを交わし,心の通った会話ができるようになってほしいです。
6年1組では,今,朝のあいさつの後に一言つけたす運動をしているようです。毎朝,私は,数名の6年生と「おはようございます。今日は気持ちのよい天気ですね。」「おはようございます。今日の体育が楽しみです。」などと,会話をすることがとても楽しみなのです。私が不在で,朝にあいさつができなかったからと,校長室まで来てくれたこともありました。本当にうれしい気持ちでいっぱいになりました。
一言付け加えるには,相手や自分の気持ちをしっかりと考えていないとうまくつなぐことが難しいようです。けれども,積極的にあいさつを交わし,聞く・話すという会話を行うことで互いに分かり合い,理解し合うことができるのです。あいさつは,まだまだ合格点には届きませんが,しっかりと取り組んでいきます。
保護者・地域の皆様も,どうぞ,子どもたちへ「おはよう」と声かけをしてやっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。