振り返る
『むめ(梅)一輪 一りんほどの 暖かさ』 服部嵐雪 作
1月28日の新聞には「雪国福井 どこへ?」と書かれていました。1月の降雪量は平年の1から5割ということです。暦の上では1年で一番寒い「寒の内」。風は冷たいですが、穏やかな日が続いています。梅が咲く春も、今年は早いかもしれません。
さて、3学期スタートから蔓延してきたインフルエンザも、少し落ち着いてきたようです。いよいよ、今年度の締めくくりのときです。この1年間の自分自身の成長をしっかり振り返ってみてほしいと思います。
ところで、私が幼かった頃、「巨人・大鵬・卵焼き」は人気のあるものの代名詞でした。中でも、昨年国民栄誉賞を受賞した元横綱大鵬は、私の憧れでした。当時、45連勝していた絶好調の横綱の記録が、どこまで伸びるか注目の的となっていました。そして「大鵬―戸田戦」は物言いがつく際どい勝負となり、結果大鵬は敗れ、連勝記録は45で途切れました。応援していた私は、ずいぶん悔しい思いをしたことを覚えています。ところが、ビデオでは、大鵬の足が土俵に残っていました。報道陣は「横綱は勝っていた」と支度部屋に押しかけました。しかし、大鵬自身は誤審の判定を下された件について不満を述べることはせず、むしろ誤審を招くような相撲をとった自分に責任があるとして「ああいう相撲をとった自分が悪いんです」とだけ語りました。絶対に「他のせいにしない生き方」が、あれほどの大横綱にしたのだと思います。
また、同じく昨年、国民栄誉賞を受賞した松井秀喜選手が大事にしている言葉があります。それは、ヒンズー教の教えであるらしいのですが、
心が変われば 態度が変わる / 態度が変われば 行動が変わる
行動が変われば 習慣が変わる / 習慣が変われば 人格が変わる
人格が変われば 運命が変わる / 運命が変われば 人生が変わる
という言葉で、高校時代の野球部の恩師から頂いたそうです。
自分の心を変えるためには、まず考え方を変える。幸せになる考え方を心がける習慣ができれば、それだけで幸せになれる。考え方が大きく変われば、人格・性格が変わったように感じられるかもしれない。考え方が変われば、人生も変わるのではないかということです。
2月になりました。この1年を振り返って、もし自分が何も変わらないとすれば、それは自分の心が変わっていないということです。一所懸命やってもうまく事を成せない時があります。その時、「一所懸命やったのだから原因は自分にはない」と考えたくなりますが、それでは何も解決せず、前には進めません。自分で原因を引き受け、意識を変えようとすることが大事なのではないでしょうか。
今年度もあと少しですが、自分の心を見つめ直し、出来ていないところ、変わっていない部分を積極的に変えてみてほしいです。