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福井県おおい町の小学校です。 日々の様子をお伝えします。

2014年11月4日火曜日

11月号

相手を意識して
                                                          
 『吹き起こる秋風鶴を歩ましむ』 石田波郷 作

 どこからともなく吹き起こった秋風が,静かにたたずんでいた鶴を,つと後ろから押すようにして,一歩二歩と歩ませた。風のように軽く,しなやかで優雅な鶴の姿を詠んだ句です。鶴の毅然とした美しい姿が目に浮かびます。

美しいといえば,2日の町民文化祭では,5年生の児童が素晴らしい歌声を披露してくれました。今年は,会場の都合により,保護者の皆様に郡の連合音楽会に来ていただくことができず,残念に思っていたのですが,文化祭出演の機会をいただきありがたく思っております。
5年生の子供たちは,音楽の授業や放課後の時間に一所懸命練習を重ねてきました。みんなに聴かせたい,学校の代表だという思いで頑張って練習を重ねてきた自信が子供たちを輝かせたのだと思います。音楽会までは,後一週間程となりました。短い時間ではありますが,美しい歌声を届けることができるように,さらに練習を重ねてほしいです。

さて,10月からは,特にあいさつや返事への取り組みを深めてきました。各学級では,学習の始まりのあいさつや,指名されたときにはっきりとした声で返事をするように,意識した取り組みを続けています。また,児童会を中心にした校門でのあいさつ運動は,毎朝続けられています。天候の悪い日や気温の低い日もありますが,そんな日でも子供たちは声をそろえてあいさつを続けています。5,6年生の子供だけでなく,時には3,4年生の子供たちもあいさつ運動に加わっています。あいさつをする子供たちの声は元気よく清々しい思いのするものです。そんな雰囲気が少しずつ広がり,校内でも廊下ですれ違う際に,「おはようございます」と声をかけてくれる子が見られるようになってきました。まだまだ,時間はかかるかもしれませんが,相手を意識して,自分から進んで声をかけるようになってほしいです。

ところで,「職人と煉瓦」という話を御存知でしょうか。
ヨーロッパのある街を旅する一人の男が歩いていたところ,建築現場で黙々と煉瓦を積み上げている職人が目に留まり,声をかけました。「あなたは,どのような思いでそのたくさんある煉瓦を積み上げているのですか」と。すると,一人目の職人は「思いなんてない。目の前にあるたくさんの煉瓦を,ただ積んでいるだけだよ」,二人目の職人は「収入を得るためだ。煉瓦一個につき幾らと,お金がもらえるからね」,三人目の職人は「私はこの建物を後世に残したい。この建物に集う人々のことを考え,歴史に残る大聖堂を作りたいんだよ」と答えたという話です。

三人三様の答えです。何れも煉瓦を積んでいるという事実は同じですが,一人目の職人には残念ながら相手意識も目的意識も感じられません。二人目の職人には収入を得るためという目的意識はあるようですが,三人目の職人には,仕事に向かう姿勢の中に,集う人々のことを考える相手意識や後世に残すために確かな仕事をするという目的意識が感じられます。同じことをするのに,大切なことは,物事に向かう姿勢だと考えます。心の置き方が大事だと考えます。


あいさつへの取り組みは,今後も続けていきます。また,学校ではいろいろな行事や日々の様々な取り組みがあります。これからどのように取り組むか,同じ活動をするのにも「相手意識」「目的意識」をもって取り組んでほしいと願っています。