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福井県おおい町の小学校です。 日々の様子をお伝えします。

2011年3月3日木曜日

耐雪梅花麗

 ♪赤いはなおのジョジョはいて♪ みいちゃんが春を待っているように,子供たちの心には中学校や次の学年へ向けた希望という花のつぼみが大きく膨らんで,今にも咲こうとしています。それに合わせるように,梅の花が,尾内や本郷の梅林で咲いています。低学年のポーチではオオイヌノフグリが薄青色の可憐な花をつけていました。でも明日からまた寒くなりそうです。春がそこまでやってきているのに,あと一息のところで足踏みをしています。でも,確実に心も季節も春の日差しのように明るさを増してきています。

 今年の冬は近年にない厳しい冬で雪もたくさん積もりました。西郷隆盛の「耐雪梅花麗」(ゆきにたへて ばいかうるはし)という言葉があります。冬の厳しい雪や寒さに耐えた梅の花ほど,春になって一層美しく咲くということです。

 本郷小の子供たちには,それぞれに,この一年の間にうれしいことや楽しいことがいっぱいでした。でも,しんどいことや困難なこともあったことと思います。特に6年生はよく下級生の面倒を見てくれました。でも,ひまわり班や清掃活動での下級生を指導する難しさ,児童会のリーダーとして全体を動かすことの大変さ苦労も経験したと思います。勉強もいつもいつもササッと理解できれば苦労はありません。頑張って努力してもテストが良い点数ばかりとは言えません。その難しさ,苦しさ,大変さが厳しい冬の雪や寒さであり,それに耐えたあとに花開く梅は,一層美しく輝く子供たちということなのです。満を持して縮んでいたバネがより大きく跳びはねるように。

 1年生が校長室によくやって来ます。先日もやって来てこんなことを言っていました。「6年生,卒業せんかったらええのに」と。「何で?」と聞くと,「6年生,優しいし」と言うのです。詳しく聞くと,毎日の登校時,一緒に歩いてくれたり,励ましてくれたりして嬉しかったというのです。さすが6年生。小さい子を気遣いながら登校してくれていたんです。見えないところにさりげなく咲いている花。華やかではないけど周りをいい香りにしてくれる花があります。6年生はこんな花も咲かせてくれていたのです。

 1年生には気の毒ですが,6年生はあと2週間余りで卒業です。でも心配はいりません。5年生がしっかりバトンを受け継いでくれることでしょう。

 時がたつのは早いもので,もう今年度「最後」の学校便りをお届けすることになってしまいました。保護者の方々や,地域の方々には,読み聞かせ活動,生活科・家庭科・学校行事の支援の活動,子どもの安全のための登下校時の見守り活動,図書室整備や行事のためのボランティア活動を始め,授業参観や各行事への参加,子どもたちの応援など,何かにつけて温かいご理解,惜しみないご協力をいただき,学校を支えていただきましたことに心からお礼申し上げます。本当にありがとうございました。