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福井県おおい町の小学校です。 日々の様子をお伝えします。

2015年1月8日木曜日

1月号

生活を見直す


 『年玉を並べて置くや枕もと』  正岡 子規 作

 お年玉は,子どもにとってお正月の大きな楽しみです。句からは,お年玉をもらった子どもがうきうきしているような様子が浮かびます。本郷小の子どもたちはどのような使い道を考えたかなと思いました。けれどもこの頃,病床にあった子規は,弟子からお年玉としてもらったいろいろな品物を枕元に並べて眺めていたそうです。どのような気持ちで眺めたのでしょうか。

新しい年を迎えました。皆様,明けましておめでとうございます。
昨年は,保護者や地域の皆様には,学校行事の体育大会やマラソン大会,音楽会や講演会などに多くの方の御参加や御声援をいただき,子どもたちのやる気を高めてくださいました。心からお礼申し上げます。ありがとうございました。
 いよいよ3学期のスタートです。気持ちも引き締めて1年の締めくくりをしなくてはなりません。そこで,これまでの様子を振り返ると,もっともっと頑張れるはず…と思ってしまいます。

 こんな話があります。――――--
 デンマークのある地方の古城を映す湖には毎年鴨が飛んでくる。そこには,餌をいつも用意して待っていた老人がいた。いつしか鴨は食べ物に恵まれて,次の湖へ飛び立つ必要がないと思い,そこに住み着いてしまった。しかしある年,その老人は亡くなった。餌をもらえない鴨たちは,自分で餌を探し,次の湖へ飛び立たねばならない。しかし飛べない。なぜなら,野性をなくしてしまった鴨たちはまるでアヒルのように肥え,羽ばたいても飛べなくなっていたのだ。さらに悪いことに,そのとき春の雪解けの濁流が湖に流れ込んできた。飛ぶことも駆けることもできなかった鴨たちは,濁流に流され死に絶えてしまった。――――――
 野鴨は,本来数千キロを飛ぶことができるたくましい鳥です。そのたくましい鳥でも環境に安住することにより,本来の生命力を失い,ちょっとした環境の変化にも対応できなくなってしまったということです。

 これまでの生活の中で,「これくらいでいいだろう」とか「自分がしなくても誰かがやってくれるだろう」という発想こそ,主体性のない,いわば飼い慣らされた鴨をつくっていると言えるでしょう。新年の目標を絵に描いた餅にしないよう,もう一度自分たちの生活を見直すことが必要だと思います。 

2学期,あいさつ運動を続けてくれた子どもたちがいました。自主学習を続ける子どもたちもいました。このように,様々なことに積極的に関わり,夢と希望を見失わず,コツコツと勉学に励んでほしいと思います。

教職員一同,これまで以上に,子どもたちのために精一杯の取り組みを行います。

保護者,地域の皆様,本年も変わりませず御支援と御協力を賜りますよう,よろしくお願いいたします。